■ 究極のPDA-GPS用Pocket PC登場!■

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「MiTAC DigiWalker Mio 168」レポートは、筆者のBlogより転載しました。

 

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Mio 168のGPSアンテナを開いた状態。3.5インチの液晶画面は白色LEDによるバックライトが明るい
 MiTAC製のGPS内蔵Pocket PC「DigiWalker Mio 168」が、代理店のSPAより届く。まだ、一般市販はされていない製品だが、評価用ということで借用させていただく。パッケージは、英語バージョンのもので、マニュアルなども全て英文であるが、OS(Windows Mobile Pocket PC 2003)は日本語版となっている。付属品としては、ActiveSync用USBケーブル、充電用ACアダプタ、更に車載用取り付けアームや、シガープラグアダプタなども同梱されていた。
 ちなみに、国内正式バージョンでは、昭文社のSuper Mapple Digital Ver.4 for Mioが同梱されるとの事で、日本国内で使用する場合、電子地図ソフトを別途用意する必要はない。しかし、英語版や中国語版では、MioMapという音声ガイドをも装備した、本格的なカーナビ用ソフトが同梱されているようで、この日本語バージョンがリリースされると、更に使い勝手がよくなると思うのは、筆者だけでは無いと思う。
 液晶画面は、半透過型のTFT3.5インチで、バックライトによる見やすく鮮やかな画面だ。筆者が、日ごろ愛用している東芝GENIO e550Gの反射型TFT4インチ液晶では、フロントライトとなるため、どうしても発色が悪い。しかし、野外での視認性という意味では、やはり反射型に歩があり、室内や暗い場所での見易さを取るか、晴天下の野外での見易さを取るかの、トレードオフとなる。もちろん、バックライトの輝度を上げることにより、かなり見易くなるが、今度はバッテリーの持続時間とのトレードオフになるわけだ。
 しかし、筆者が日頃愛用して、メモ撮影用に用いているCASIOのEXILIM EX-S20で撮影した画像を、GENIO e550GのSDスロットへ挿入して、画像を表示させた場合と、Mio 168のSDスロットへ挿入させた場合の画像表示を比べてみると、その差は雲泥の差があり、Mio 168の表示の鮮やかさに驚かされる。
 加えて、画像表示を行う為のツールが、Mio 168には標準で内蔵されており、表示だけではなく、簡単なレタッチも行える。「E-Viewer」というツールで、Pocket PC 2003より標準で装備された、MS製のPicturesフォルダ機能とあわせて使用すれば、SDカードメモリに対応したデジタルカメラのポケット表示・編集ツールとしても十分使用可能だろう。SDメモリ対応のデジカメユーザは要チェックだ。
 GPSエンジンは、SiRF製の高性能で定評のある、SiRF Star II e/LPが搭載されており、筆者が愛用しているSocket Communications社のBluetooth GPS Receiver(EMTAC社BTGPSのOEM品)と同じで、高速かつ高感度な為、安心できる。GPSアンテナ部分は、折りたたみ式となっており、使用しない場合には、背面へ折りたたんでおくことで邪魔にはならない。 また、GPSアンテナ部分には、外部GPSアンテナ接続コネクタも装備されているので、車載の際には便利だろう。
Mio 168の背面へGPSアンテナを折りたたんだ状態。野外では、この状態でも測位を続ける高感度だ
 GPSデータ出力は、"COM2"へ固定ポートで割り振られており、通信速度は"4800bps”だ。電子地図ソフトやGPSステータス表示アプリケーションからは、"COM2:4800bps:NMEA0183:WGS-84測地系"を指定すればよい。SiRFのGPS設定ツールを用いれば、バイナリデータや、他の測地系への変更なども可能だが、むやみに設定を変更すると、元に戻せなくなる場合もあるので、設定変更は自己責任でやることになる。
 GPS受信機の電源は、アプリケーションが"COM2"をオープンにすると、自動的GPS受信機へ給電される。従って、アプリケーションがバックで動作し続けていると、GPS受信機には給電されたままになるようだ。GPS受信機の節電モードは、Mio 168の設定ツールから、「トリクル動作」を設定することで可能となる。しかし、高速測位や感度の低下との引き換えとなるので、設定には注意が要るだろう。GPS受信機のモード変更や、電源のオン・オフなどが、タスクトレイからいつでも出来るような、専用アイコンなどが装備されていると、更に使いやすくなると思われる。
 拡張性では、SDスロット(SDIO Now!仕様)が1スロット装備されており、インターネットへのアクセスなどでは、ここを使用することになる。とりあえず、手持ちの東芝製SDスロット対応のBluetooth SDカードを試してみたが、ドライバが少々不安定。東芝では他社のSDスロットでの動作を保障していないようだが、これも困った話しだ。
 現時点では、SDIO Now!仕様のカードは、あまりないのだが、無線LANとフラッシュメモリを内蔵したSDカードもSunDiskから発売されているし、東芝以外の汎用Bluetooth SDカードもあるので、これらを用いることで通信インフラへの対応も問題はないだろう。また、MiTACによるテストでは、SII社製SDIO対応のAirH"PHSデータ通信カードAH-S101Sでの検証が済んでいるとのことだ。
 筆者がバンコクで愛用する、BKK Map Adventure(GPS対応)を、このMiTAC製Mio 168へインストールして、次回のバンコク滞在で評価をしてみるのが、今から楽しみである。ちなみに、SPAから初回の予約販売に限り、税込み39,800円(通常価格は、税込み41,790円)という抜群のコストパフォーマンスで発売になるので、I・Oデータ機器から発売となったSDGPSの価格を考えると、1万円程度の差で、最新のPocket PC 2003がオマケで付いてくるのと同じであり、下手な外付けGPS受信機を購入するよりも、この「MiTAC DigiWalker Mio 168」を購入したほうが、面倒もなく高性能で、しかも扱いが楽だ。
 GPS受信機内蔵のPDAとしては、Garmin社のiQue 3600などが発売されているが、日本語版は発売されておらず、Palm OS 5の日本語化をユーザが行わねばならない上、日本語のGPS対応した地図ソフトも最新版が無いなどの問題もある。しかも、価格が米国での販売価格で$589と高価であり、PDA-GPSのインフラとしては、Pocket PCのほうが適している等を考えると、まさに、「MiTAC DigiWalker Mio 168」は究極のPDA-GPS用マシンと言えるだろう。

※上記の評価を行ったハードウェアとソフトウェアから、製品版では、SiRFのGPSエンジン用ファームウェアが、SiRF Soft
  がSiRF XTracへ変更された。SiRF XTracを採用したMio 168は、日本版が最初であり、海外版の新型Mio 168RSと、
  日本版のMio 168は同一ハードウェア(GPSエンジンのファームウェア)となっている。

 

「DigiWalker Mio 168」用のMioMap/PaPaGO!/HandyMapレポート
英語版「MiTAC DigiWalker Mio 168」に付属する「MioMap」のレポート
「DigiWalker Mio 168」へ 導入した「BKK Map Adventure」のレポート

 
 

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