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VAIOノートPCG-C2GPSへ装備されたHGR1、Navin'You V4.0 GPS KITへ同梱されたHGR1S、そしてGTPS機能を装備したIPS-8000と、久々にソニーのGPS受信機やそれを取り巻くハード・ソフトが充実した1999年だったのは、既に伝説となった名機IPS-5000/5200の登場以来の大きな出来事だった。ここで、1999年に別れを告げ、次なるミレニアムに向けて、筆者なりのソニーGPSに関して私的な考察をレポートしてみよう。 |
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| ハンディGPSレシーバPCQ-HGR1 | |
まずは、世界初となるUSB接続によるハンディGPSレシーバHGR1(S)に関する私的観察から始めよう。下の写真のHGR1は、クリアボディなので、内部がよく解るだろう。(市販モデルにはない特別仕様のスケルトンモデルだ! マニア垂涎のSONY GPSコレクターズアイテムの逸品! むろん実際に動作可能なのは、いうまでもない。) |
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アンテナ部分には、ミツミ製(秋田ミツミ)のセラミックパッチアンテナが見える。このアンテナは、同じくソニー製のIPS-8000にも採用されている他、EPSONの新型ロカティオにも採用されている。ミツミのセラミックパッチアンテナには、COMDEX/Fall '99でも展示されていた、更に小型化された製品もあり、今後の小型GPS機器には、こちらが搭載されて行くことになるのだろう。 |
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| 20周年記念の開催だったCOMDEX/Fall '99、そこで展示されていたミツミのGPS用アンテナ各種、一番左のものがカーナビ用、真中がHGR1(S)やIPS-8000、ロカティオで使われているもので、大きさは、真中の円が100円硬貨程度だ。 | |
しかし、従来のIPS-5000/5200に搭載されていた大型のセラミックパッチアンテナから比べると、やはりアンテナ自体の感度という面では芳しくないような気がする。これは、無線機器全てに関して言えることだが、短縮率の大きなアンテナよりは、フルサイズに等しいアンテナの方が、性能が良いのは、明白だ。これは、アンテナ自体のゲイン(利得)は、アンテナの電気的な開口面積に比例するため、短縮アンテナ自体は、マイナスゲインとなり、それを補完するために、アンプ(LNA)を装備してアクティブアンテナとして、ゲイン補正を行っているのだ。 このHGR1のスケルトンボディ本体の手前側に細く白い線材が見えると思うが、これがなんと同軸ケーブルなのだ。同軸ケーブルもGPS電波の1.5GHzを扱う以上、それなりの太さの同軸でなければ、減衰率も大きくなり感度的にも不利となる。IPS-5000/5200では、それなりの太さの同軸が採用されていたのに比べ、やはりHGR1やIPS-8000で小型化の為に犠牲となっている部分だろう。 IPS-5000へ装備されている4倍ほど面積の大きなセラミックパッチアンテナを、IPS-8000かHGR1へ装備してやれば、更に高性能なGPS受信機となることも期待できる。小型化の為、性能を犠牲にしている点は、CPUやハードウェアが高速になり、HDDも大容量化しているPCへ、より肥大化したOSやアプリケーションを乗せて、性能の自転車操業をしているPC業界のように、GPS業界も小型化ばかりを推進しないで、より高性能、高感度を目指して欲しいものなのだが・・・・せめて、HGR1に外部アンテナコネクタが装備されていれば、こういった欠点がカバーできるのだが、それは残念なことに未装備だ。 パネルとVAIOのエンボスによるロゴがあるクリップの手前に見える、金色の小さな円盤は、圧電ブザーであり、これが電源のON/OFF時に鳴るのだ。IPS-8000では、この圧電ブザーは装備されていないので、サウンド機能はない。HGR1本体内部の1/3は上部に見える単三電池で占められており、手前の銀色に見える箱が2/3を占めるGPS受信機本体で、全体をしっかりとしたシールドで覆われており、PCからのノイズ対策も万全となっているのは、安心できる。 このシールドBOXには、直接USBコネクタが装備されており、構造がシンプルに作られているのには、感心するところだ。余談であるが、HGR1に搭載されている、GPSコアLSI(CXD2931R)は、1チップLSIでD-GPSを含む全てのGPS機能を内蔵している。シリアル入出力は、D-GPS入力とは別に装備されており、IPS-8000では、この入力ポートがコネクタへ配線されているが、HGR1ではLSIからの配線も行われていない。 つまり、HGR1でもこのLSIのD-GPS入力へRTCM-SC104かDARCのD-GPS信号を入力してやり、D-GPSをONにするコマンドを与えてやれば、簡単にHGR1/D-GPSが実現するだろう。もちろん、USBでのD-GPS実現は非常に困難だと考えられるが、RS-232CレベルコンバータICなどを用いてGPSデータと共にD-GPSデータを供給するようにしてやれば、GTPS機能以外はIPS-8000と同等に使える可能性が大なのだ。 ただし、この仮定は、IPS-8000とHGR1へ搭載されている、CXD2931RのファームウェアROMが、全く同一であるという条件が前提だが、現時点ではまだ未確認のため、あくまで筆者の予想に過ぎない。むろん、人柱として実験したいという方がいれば、是非TRYしていただきたいが、お定まりの自己責任が条件となるのは、いうまでもない。(CXD2931RのデータシートはソニーのサイトからPDFファイルで自由にダウンロード可能だ。) |
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| これからのソニーによるGPS戦略を予測する | |
今回のCOMDEX/Fall '99のソニーによる展示ブースや、COMDEXに合わせての3Com/Palmとのライセンス発表などから予測すれば、今後のソニーのGPS戦略がはっきりと見えてくる。事実、それをモックアップという形ではあるが、我々の前に見せてくれていたのが、今回のCOMDEXでのソニーブースだったのだ。 |
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| GPS STICKと名付けられたメモリースティック型GPS受信機は、メモリスティックサイズのHGR1(S)を連想すればいいだろう。 | 左はメモリスティック型のカメラユニットを装着したPDAで、 右は、Palm型PDAにGPSユニットとジョグダイヤルを装備。 |
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| メモリスティック型のデバイスユニットが数多く試作展示GPS、デジカメ、TV、FM、ジョグダイヤル、指紋認証等。 | こちらは、PDA型のハンディGPSにデジカメ付き、ロカティ オ対抗機種の試作品のモックだ。MobileのキーワードはGPS。 |
これらのソニーがCOMDEX/Fall '99で展示していたモックや試作機、そしてPalmとの提携発表を考えれば、だれでも結論的にはソニーの次期PDAはPelmのカラーPDAへメモリスティックスロットを装備した、多機能ハンディGPSレシーバを連想するのは容易だろう。さらに、国内のPalmプロジェクトを推進するソニーの南氏は、実はつい先ごろまで、Navin'Youのプロダクトマネージャ担当だったという事実を、ご存知だろうか? そう、ソニーのPalmプロジェクトとGPS戦略が、ここで交わるわけなのだ。実際、南氏とは、何回か会ったこともあり、酒の席で言いたいことを言い合ったこともあるのだが、筆者が、過去に技術評論社のMobilePRESS誌へ掲載した、PCカードユニットを合体させて実現するPDA型ハンディGPS構想に、興味を示していたことがある。今回、試作展示された(写真右上)PDA型ハンディGPSは、PCカードとメモリスティックの違いこそあれ、それを実現してくれたモックアップといえよう。 このカラーPalm型PDAは、メモリスティックスロットへ、各種のスティック型モジュールを挿入することで、ハンディGPSや、デジカメ、TV、FM受信機、むろんインターネット端末にもメール端末にもなるという構想だ。重要なデータには、指紋認証のスティックを用いれば、セキュリティにも優れているので、パスワードなどの入力無しに、簡単に使うことが可能になる。また、スティック型のBluetoothデバイスを用いれば、簡単に携帯電話やPCとの連携も可能になるのだ。 メモリスティック型の各種デバイスは、PCカードアダプタを介せば、PCカードスロットを装備している既存のノートPCでも活用することが可能なのは、現在のメモリスティックと同様だろうから、PCユーザにとっても、より小型のデバイスが使用できることになるわけだ。これは、VAIOユーザではない場合も、嬉しいことだ。スマートメディアのようなメモリストレージ専用だと、こうはいかないので、CFよりも小型な点を考えると、PDA向きなメモリスティックの普及が、一気に加速するかもしれない。 VAIOの快進撃がみられた1998年〜1999年だが、2000年はVAIO Pelm(?)の快進撃によって、おそらくは名前を変えただけのWindows CE(Powered)の息の根が止められることになるのだろうか? 少なくとも、PlayStation2によって、GAME機器業界だけではなく、家庭用PC業界の多くの企業が、苦戦することは目に見えているので、その勢いでソニーの一人勝ちが2000年も続くのではないかと筆者は見ているが、PDAまでもソニーの一人勝ちになってしまうとは・・・・・・ 恐るべしSONY! |
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