フィリピンでの保険金殺人事件　

ＮＩＳＩＫＩ　ＫＯＴＡＲＯ

１９９０年から１９９６年に掛けてマニラにおりましたころ、日本人による保険金殺人事件が多発しました。　その内３件を興味本位で現地の新聞を読んでフォローアップしてたんですが、いかにもフィリピンらしかったので、紹介を。

　その３件とも、全く同じパターンでした。　日本人が保険金殺人を企んで、前もって
フィリピン人の殺し屋を雇い、被害者を日本から連れてきて、殺して貰う。。はずだったんですが、
いずれも連れてきた日本人の主犯自身が手を下してます。

ここまで言えばphil-listの方々は、どうして、そうなったかは想像できますよね。
（注：phil-listはフィリピン関係の最大のＭＬ　参照：会議室）

　主犯のフィリピンでの交際範囲では、誰でも　俺は殺し屋とは親しいと言います。紹介を頼むと誰でも心安く引き受けてくれます。これは連中の親切心と、ええかっこしによるものです。　しかも人を殺したことがないのに、俺は殺し屋と名乗るやからも沢山います。仕事をするには当然手付け金を払いますから、皆んなそれてトンズラします。
何もしなくて大金が入れば、その方が良いに決まってます。

　中には４泊５日の間に３回も手付けを払った末に、どうにもならなくて最終日に自ら手を下した人もいます。

日本人が日本人を殺せば当然日本の国内法で裁かれます。

フィリピン国内で捕まった場合のご注意を。　保険金が絡むとフィリピンの警察はなかなか犯人を手放しません、彼らは事件解決の手助けをすると保険会社から、その謝礼が出ると思ってます。なんせ保険金額は連中の想像を絶する金額ですからたとえ数パーセントでも一生暮らせます。日本から捜査員が来ても、なんだかんだ言って引き渡しません。なかには一年以上留め置かれた人もいます。

ｎｉｓｈｉｋｉ＠ｌｅｙｔｅ

高濱からのコメント

nishikiさん。お久しぶりです。高濱です。
　相変わらず、するどい観察と分析。お元気そうですね。

>その３件とも、全く同じパターンでした。　日本人が保険金殺人を企んで、前もってフィリピン人の殺し屋を雇い、被害者を日本から連れてきて、殺して貰う。。はずだったんですが、い
ずれも連れてきた日本人の主犯自身が手を下してます。

• 　その内の一件の犯人が、日本の病院関係者だったと言うことで大きく報道されましたね。最近も日本では保険金殺人が多発しています。あの時は、保険金殺人犯人が悪いと言うことを超えて、フィリピンの警察が手を貸したと言うような論調ばかりが強く打ち出されていたような気がします。日本で「風邪薬保険金殺人事件」が起こったときも、フィリピン人女性が登場しましたが「保険金殺人ーフィリピン」という連想から、必要以上にフィリピン人女性がクローズアップされたのではないかと心配しました。
  　日本のお家芸ともいえる、保険金殺人事件。「犯罪の陰に女あり」と言われる代わりに「保険金殺人の陰にフィリピンあり」と言うおかしな意識結合が出来てしまったのではないでしょうか。

>主犯のフィリピンでの交際範囲では、誰でも　俺は殺し屋とは親しいと言います。紹介を頼むと誰でも心安く引き受けてくれます。これは連中の親切心と、ええかっこしによるものです。　しかも人を殺したことがないのに、俺は殺し屋と名乗るやからも沢山います。仕事をするには当然手付け金を払いますから、皆んなそれてトンズラします。
何もしなくて大金が入れば、その方が良いに決まってます。

• 　この場合、手付を騙し取られた日本人は被害者でしょうか？　私はかしこいフィリピン人に軍配を上げますね。こんな場合は「騙される日本人が悪い。」と大手を振って発言できることが痛快です。

>日本人が日本人を殺せば当然日本の国内法で裁かれます。

• 　でも、日本とフィリピンの間には犯人引渡し協定が成立していません。

>フィリピン国内で捕まった場合のご注意を。　保険金が絡むとフィリピンの警察はなかなか犯人を手放しません、彼らは事件解決の手助けをすると保険会社から、その謝礼が出ると思ってます。なんせ保険金額は連中の想像を絶する金額ですからたとえ数パーセントでも一生暮らせます。日本から捜査員が来ても、なんだかんだ言って引き渡しません。なかには一年以上留め置かれた人もいます。

• 　冤罪でこの立場になったら悲劇ですが、実際に犯行を犯した人に取ってはその方が都合が良いでしょうね。日本の拘置取り調べよりは、フィリピンの刑務所の方がはるかに居住環境が良いと伝えれれていますから。
  

刑務所の住環境は金次第です。日本人死刑囚は、みょうな人で、私の印象では出て来たくないようです。保険金殺人の方は、日本に帰りたくて、捜査員に帰国を懇願していたようです。

• 　伝え聞くハロスホスという議員の刑務所生活はまさに天国のようですね。

　私の親しい中国人が彼がマカティの拘置所に入っているときに、実際に会いに行きました。　部屋には冷蔵庫、テレビ、携帯電話が有り、仕事をしていたそうです。
ミンダナオに有る彼の所有するリゾートを買収しようとしたんですが、金には困ってないとあっさり断られたようです。

• 　今、日本とフィリピンの刑法をちょっと読み始めているのですが、日本人は一般生活の中でも、歴史的に学校でも軍隊でもどこでも規律を守らせられ管理されて、外国人から「刑務所のような生活」と評されることもあるような一般生活を送ってきています。行動の自由を奪われることに関しては、刑罰効果が薄いのかもしれません。そのためか懲役という強制労働が刑罰のメインに出てきます。　フィリピンの刑罰の概要を読んでも、日本のような懲役という概念がはっきり出てきていません。自由人として生きるフィリピン人にとっては、行動規制が日本人の感覚よりも強く刑罰苦痛効果として捉えられているのかもしれませんね。

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