トゥバの話

 最初にトゥバ(チュバ)はココナッツから取れる酒と聞いたのでてっきり酒の起源と言われるココナッツの実から採るヤシ酒(猿が飲んでいるのを見て人間も飲み始めたってやつ)だと思いましたが違います。トゥバはヤシのてっぺんにある成長点を切って出るジュースを発酵させトンゴというお茶で色と味を付けたワインです。アルコール度は5%位だと思います。地元では、これは酒では無く、ただの飲み物だと進められますが、アルコールに弱い私はコップ一杯で顔が真っ赤になります。

 夜な夜なの酒盛りだけではなく、重労働の時は元気付けに飲みます。田植えなどに人を頼むと給料の他にトバを要求されます。

 通常ガロン(4リットル)単位で取り引きされ、石油のポリタンクに入ってます。現在ここでは1ガロン40ペソ位。

 実は前から不思議に思ってたんですが、椰子がそこいらじゅうに生えているに関わらず、誰も自家生産をしません、しかも誰に聞いてもトゥバなんか誰にでも作れると言います。要は作るのはかなり面倒くさいと言うことのようです。毎日朝、夕椰子に登ってまず成長点を切り、少しずつ曲げていきますこれに一週間は掛かります、下を向いたら竹の筒をセットしてジュースを受けます。1本で取れるのは2リットル位なので本職は1日に何十本も登ります。それと成長点を切ってしまうので椰子の実が採れなくなります。

 それでもキャッシュを毎日払うより作った方がマシだと思うのは貧乏人の私だけのようです。

 ちなみに私は飲まないので酒盛りの費用は払ったことが無いです。住んでいますと毎日多人数に奢るのは負担になります。もし私が飲むと、日本人(金持ち)が払うのが当然になります。
ヘイ 私、実は コレポ。

      トゥバは椰子の生長点からのジュースを使うので
      各種の成長ホルモンやミネラル一杯の健康飲料
                        (注:自説)

                       nishiki@leyte


> SASAMAです。

[ 最近どぶろく造りにちょっと凝っているのでついまた出てきました。 これは発酵させる前は結構甘いんでしょうね?糖分がアルコールになるはずだから。 それにフィリピンのような暑いところでは雑菌が入りやすいと思うのですがーーー]

 原液は結構甘いです。この糖分が酵母菌によってアルコールになるのでしょうが、清潔に関しては無頓着ですから酵母菌がよっぽど強力なんでしょうか?それどころか木の上で採集中にトカゲとか蛾とか虫が沢山入り、下りたところで濾してます。 (それが旨味の素だったりして)

[ そう言えばトゥバは時間が経つとすっぱくなるというような話しを聞いたような記憶 があるのですが・・・(雑菌が入ると酒が酢になる) どうなんでしょうか?]

 そのままほっておくと酢酸菌が増えて酢に成ります。

 トンゴ(トンゴッグ)茶を混ぜてポリタンクを移し替えながらオリを取り除いていきます。新酒?は2日程で出来てしまいます。この移し替えを長く続けてたものほど高級になり、バハレナと呼ばれ最高の3ヶ月ものは1ガロン120ぺソもします。(3ヶ月しか待てないところがフィリピンらしい)

 新しい物ほど甘く、古い物ほど匂いとアルコールがきつくなります。残ったオリは溜めて置いてお酢を作ります。

 ちょっと独特の匂いが有りますので西洋人は嫌いな人が多いようです。飲んでいる内に気にならなくなります。(今じゃ始めから気にならない)私は酒を飲まない質なので出来立てをコーラで割って飲みます。ここではほとんどの人がコーラ割です。(ま 私と割合が違いますが)

[多分トゥバの発酵が進めば酢になると思うのですが・・・ そう言えばこういう醸造した酢を水に混ぜて鶏に飲ませると病気予防に良いといわれ ているので我が家ではひよこの間はいつも飲ませています。(生後約一ヶ月)]

こんどトゥバを薄めて飲ませてみよう。

nishiki@Leyte

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