第3章 戦闘

3.1:戦闘の手順

 戦闘での注意点:戦闘ターンの2ターン目以降にボールからポケモンを出して戦わせる場合、そのターンに出したポケモンは能動防御しか行えません;上記の〈モンスターボール投げ〉技能を参照して下さい。

3.1.1:野生ポケモンとの戦闘

 〈ポケモン知識〉判定に成功して野生ポケモンを見つけても、すぐにゲットできるわけではありません。ある程度ダメージを与えなければ、ボールでつかまえることは難しいでしょう。また、相手のポケモンが複数いる場合もあるでしょう。この場合には、ポケモン対戦とは違って、トレーナー側も同時に何匹かのポケモンを出して戦わせることができます;相手が一匹でも複数のポケモンを出して戦わせることができます。戦闘の手順は、人間の場合と同じですが、自分のポケモンに命令を与える際には、〈ポケモン使役〉技能に成功する必要があります;「ポケモン共感」の特徴があれば+3修正。ポケモンをゲットする方法については、1.1:ポケモンをゲットする方法の項を参照して下さい。
 また、野生ポケモンが常にトレーナーのポケモンを攻撃してくるとは限りません;トレーナーに向かって攻撃してくる場合もあるでしょう!野生ポケモンがトレーナーに向かって攻撃をしかけてくるかどうかは、GMの判断に任されます;3.4:ポケモンの反応の項を参照して下さい。

3.1.2:ポケモンの攻撃

 ポケモンの攻撃方法は、以下の2通りに分けられます。

 通常攻撃:ポケモンが、自分の手や足、しっぽ、触手などで行う攻撃です。命中判定は、敏捷力で行います。致傷力は、体力によって変化します;次ページの、基本致傷力表と噛みつきダメージ表を参照して下さい。肉食ポケモンの「噛みつき」ダメージの攻撃型は、特に指示されていなければ「切り」攻撃です。草食ポケモンの「噛みつき」ダメージの攻撃型は「叩き」で、ダメージは体力の半分を基準にして計算します。鉤爪によるダメージも、噛みつきダメージ表のものを使います。しっぽによる攻撃は、「大振り」扱いになり、命中判定に−5のペナルティーを課す、技能レベルを9として行う、その場の暗さのペナルティーを課す、のいずれかのうちで最低の値を用いて行い(『ガープス・ベーシック』141ページを参照)、左右側面もしくは後方ヘクスへの攻撃しか行えません。しっぽについての命中修正は、技で攻撃する場合には適用されません(技のレベルで判定を行ってください)。

 技による攻撃:ポケモンが覚えている技で攻撃します。命中判定は、基本的に技のレベルで行います。致傷力は、そのポケモンが体のどの部位(爪、牙、しっぽ、触手、など)を使って攻撃したかによって変化します;与えるダメージは、(部位の通常攻撃によるダメージ+技の追加ダメージ)になります。また、固定ダメージ(ダメージの頭に+が付いていないダメージ)を与える技の場合には、ポケモンの技のレベルに応じた追加ダメージ(突き/叩き)が加算されます(4.3.3:固定ダメージの技の項を参照)。

 特殊攻撃:「炎」「水」「電気」「草」「氷」「エスパー」「ドラゴン」「悪」のタイプの技による攻撃は特殊攻撃と呼ばれ、防御側の受動防御の効果は無視されます。

 また、ポケモンは基本的に、1ターンに1つしか技を使うことができません;通常攻撃も同様です。

基本致傷力表
体力 突き 振り 噛みつき  体力 突き 振り 噛みつき  体力 突き 振り
1D−9 1D−9 1D−5  21 2D 4D−1 1D+1  45 5D 7D+1
1D−8 1D−8 1D−5  22 2D 4D 1D+1  50 5D+2 8D−1
1D−7 1D−7 1D−4  23 2D+1 4D+1 1D+1  55 6D 8D+1
1D−6 1D−6 1D−4  24 2D+1 4D+2 1D+1  60 7D−1 9D
1D−5 1D−5 1D−4  25 2D+2 5D−1 1D+1  65 7D+1 9D+2
1D−4 1D−4 1D−3  26 2D+2 5D 1D+2  70 8D 10D
1D−3 1D−3 1D−3  27 3D−1 5D+1 1D+2  75 8D+2 10D+2
1D−3 1D−2 1D−3  28 3D−1 5D+1 1D+2  80 9D 11D
1D−2 1D−1 1D−2  29 3D 5D+2 1D+2  85 9D+2 11D+2
10 1D−2 1D 1D−2  30 3D 5D+2 1D+2  90 10D 12D
11 1D−1 1D+1 1D−2  31 3D+1 6D−1 2D−1  95 10D+2 12D+2
12 1D−1 1D+2 1D−1  32 3D+1 6D−1 2D−1 100 11D 13D
13 1D 2D−1 1D−1  33 3D+2 6D 2D−1 110 12D 14D
14 1D 2D 1D−1  34 3D+2 6D 2D−1 120 13D 15D
15 1D+1 2D+1 1D−1  35 4D−1 6D+1 2D−1 130 14D 16D
16 1D+1 2D+2 1D  36 4D−1 6D+1 2D 140 15D 17D
17 1D+2 3D−1 1D  37 4D 6D+2 2D 150 16D 18D
18 1D+2 3D 1D  38 4D 6D+2 2D      
19 2D−1 3D+1 1D  39 4D+1 7D−1 2D      
20 2D−1 3D+2 1D  40 4D+1 7D−1 2D      
以後、体力が10上がるごとに+1D

体力41以上の噛みつきダメージ表
体力 噛みつき 体力 噛みつき 体力  噛みつき 体力  噛みつき
41〜45 2D+1 61〜65 3D+1 81〜85  4D+1 101〜105  5D+1
46〜50 2D+2 66〜70 3D+2 86〜90  4D+2 106〜110  5D+2
51〜55 3D−1 71〜75 4D−1 91〜95  5D−1    
56〜60 3D 76〜80 4D 96〜100   5D    
以後、同じように続く。

3.1.3:ポケモンへの命令

 戦闘などでポケモンを指示通りに行動させるためには、〈ポケモン使役〉判定に成功する必要があります。これは、新たな別の行動を指示するたびに判定を行う必要があります;攻撃で使う技を変更する、別の目標や部位を攻撃させる、など。ただし、調教で教えたことと同じことをさせるなら、判定は一切不要です;『ガープス・ベーシック』183頁の動物の調教の項を参照して下さい。この技能判定には、以下のような修正がつきます;HPが半分以下になっていると−1、HPが残り1〜3点なら−2、HPが0以下なら−3、交換したポケモンなら−5、なつきぐあいのレベル分プラス修正、「ポケモン共感」の特徴を持っていれば+3、難しい行動をさせるなら−3。技能判定に失敗すると、そのポケモンは指示に従わなかったり、逃げ出したりするでしょう(GMが決定します)。

3.1.4:ポケモン対戦

 トレーナー同士でポケモンを対戦させることを、ポケモン対戦といいます。ポケモン対戦には、公式ルールが存在します。

ポケモン対戦公式ルール

(1)トレーナーは一人対一人でポケモンを戦わせます。対戦前に、トレーナーは互いに挨拶(握手)を交わします。
(2)それぞれのトレーナーは6匹までのポケモンを戦闘に参加させることができます。普通は両者とも同数のポケモンを出して戦わせます。戦闘の方式は、総当たり戦もしくは勝ち抜き戦で、どちらの方法で行うかはポケモン対戦をする前に両者の合意により決めて下さい。ただし、どちらの方式でも1匹ずつしか対戦させることができません。総当たり戦の場合は、両者ともポケモンを一匹ずつ戦わせて、勝負がついたら別のポケモンを出して戦わせ、勝ち数の多い方が勝利します。勝ち抜き戦の場合は、戦っているポケモンをボールに戻してから、別のボールでポケモンを出して戦わせることになります。この場合には、一度ボールに戻したポケモンを再び戦わせることもできます。
(3)片方のトレーナーが「負け」を宣言するか、どちらかのポケモンが戦えなくなる(HPが0以下になる)まで、戦闘は続きます。ポケモンジムのリーダーがポケモン対戦に負けたときには、勝った相手にそのジムのバッジを渡します。
(4)相手のポケモンをボールでゲットすることはできません。
(5)ポケモンに対して道具を使うことはできません。

3.2:負傷(『ガープス・ベスティアリー』第2版、56〜58ページより)

 ポケモンの負傷とその効果についてのルールは、『ガープス・ベーシック』164頁にある人間のものと同じルールを使いますが、以下の例外があります。

3.2.1:衝撃

 ポケモンが怪我を負った場合、人間と同じく、次のターンにだけ敏捷力が低下します。しかしながら、敏捷力を低下させるダメージ量は、そのポケモンの合計HPによって変化します。以下の表を使って下さい、小数点以下は切り捨て:

ヒットポイント  敏捷力の低下
30以下  1ダメージにつき−1
31〜50  2ダメージにつき−1
51〜100  3ダメージにつき−1
101〜200  4ダメージにつき−1
201以上  5ダメージにつき−1
 したがって、HP60のポケモンが10点のダメージを受けると、次のターンの敏捷力が3低下します。
 ただ、このルールを導入すると戦闘を煩雑にさせるおそれがあるので、採用しない方がよいでしょう。

3.2.2:負傷からの回復

 ポケモンも人間と同じ応急処置と医学的治療を受けることができます。しかしながら、ポケモンの怪我や病気を治療するためには、〈獣医/ポケモン〉技能判定に成功する必要があります(必要であれば、技能なし値で)。この技能は、包帯を巻いたり、応急処置をしたりして、医学的治療のもとで徐々に回復させるために使われます。「ねむり」「どく」「まひ」「こおり」「やけど」は、技能判定に成功すれば、それぞれに対応する薬を使って治すことができます。
 負傷したポケモンは、キズぐすりなどの回復アイテムでHPを回復させることができます。ただし、バトルの最中に回復アイテムを使うことはできません。詳しくは、アイテムの項を参照して下さい。
 ポケモンのHPが生命力ぶんマイナスになっていても、モンスターボールに入れている間は、ポケモンが命を落とすことはありません。ボールの中に入っているポケモンのHPが0以下になっていると、モンスターボールの中の時間を止める停滞フィールドが作動するためです;このフィールドは、ポケモンセンターで治療を始めるか内蔵されている燃料パックのエネルギーが切れるまで作動し続けます。
 「ねむり」「どく」「まひ」「こおり」「やけど」による影響は残ります;「どく」によるダメージは受け続けます。ポケモンセンターにあるポケモン治療器を利用すれば、一晩で全てのHPと「ねむり」「どく」「まひ」「こおり」「やけど」の状態を治すことができます。ただし、HPが0以下になっている場合には、マイナスダメージを5点受けるごとに、1日ずつ入院日数が増えます;HP30点のポケモンが45点のダメージを受けると、ポケモンセンターで3日間入院する必要があります。

3.3:命中判定(『ガープス・ベスティアリー』第2版、59〜62ページより)

 一般に、負傷による効果は人間のものと同じルールを使いますが、命中判定については以下の式で算出した値で行います。

わざタイプレベル÷10+わざ修正=わざレベル(切り下げ)
能力値÷10=戦闘時の能力値判定用能力値もしくは即決勝負用能力値(切り下げ)

3.3.1:命中部位

 出会う可能性のあるポケモンごとに全て命中部位表を作成するのは無理なので、ここでは幾つかのガイドラインを示します。二足歩行をするポケモンは、ポケモンの大きさで修正して『ガープス・ベーシック』258頁の命中部位表を使います。その状況で必要と思われる全ての修正をつけて下さい。
 例えば、ヒトカゲなどの二足歩行でしっぽのあるポケモンは、そのしっぽを第3の足として扱います。9〜11の結果であれば、その攻撃は足かしっぽに命中します;1Dで決めます(1〜2なら左足、3〜4なら右足、5〜6ならしっぽ)。しっぽに命中すれば、そのポケモンはバランスを保つのが難しくなるでしょう;敏捷力と移動力が3分の2になり、ヒトカゲは上体を後ろに反らして1メートル離れた相手でさえもキックすることができなくなるでしょう。
 四足歩行をするポケモンの場合には、以下の表を使います。人間や四足歩行の表のどちらにも該当しないと思えるポケモンの場合は、GMはこれらの表をつなぎ合わせて適切な命中修正を考案して下さい。
 四足歩行ポケモン命中部位表でランダムに命中部位を決めるときには、前面ヘクスからの攻撃の場合には−2修正して下さい;後方ヘクスからの場合には+2修正。この表を使う場合には、大きさによる命中修正がすでに考慮に入れられています。

四足歩行ポケモン命中部位表
番号
 
部位
 
蹄のある
ポケモン
大型草食
ポケモン
中・大型肉食
ポケモン
小ポケモン
 
2〜4
 
前肢*
 
−1(大型) −2(小型) −1
 
−3
 
−4
 
前脚、足首 −4 −3 −5 −6
−4 −2 −5 −6
−8 −10 −12
−5 −4 −7 −8
7〜9 胴体 +1 −1 −2
重要器官* −3 −2 −4 −5
10〜12 後肢$ −1(大型) −1 −3 −4
    −2(小型)      
後脚、足首 −4 −3 −5 −6
 #:特に効果はありません。
 $:サイコロの目が2〜12(修正前に)なら、脚ないし足首に命中します。いずれにせよ、ランダムに左右のどちらなのか決めて下さい。

 以下の例外を除いて、特定部位が使えなくなったときの効果は『ガープス・ベーシック』165頁の「四肢を損なう傷の効果」と同じです。

 頭:頭蓋骨による2点の防護点があります(そのほかの防護点に加えて)。巻角や枝角を持つ草食ポケモンは頭蓋骨に厚みがあるので、防護点が3点つき、朦朧状態になりにくいでしょう。これらの草食ポケモンは、合計でHPの4分の3を越えるダメージを受けると朦朧状態になり、生命力+2の判定に成功しないと気絶してしまいます。

 首:ポケモンの多くは普通、獲物の首や喉を狙って攻撃します。首への攻撃は、以下のルールを使って下さい。
 首の命中修正は−5です(この数値は、ポケモンによって変化します);失敗度1なら胴体に命中します。首には防護点はつきませんが、首は胴体用の防具やヘルメットで守られています。グレートヘルムをかぶっているのでなければ、胴体の受動防御と防護点を使って下さい。防護点を引いた後のダメージは、「叩き」なら1.5倍になります;「切り」および「刺し」ダメージなら2倍。
 首に合計でHPの3分の1を越えるダメージを受けると、朦朧状態になります。もし、一度にHPの3分の1を越えるのダメージを受けたら生命力判定を行い、失敗すると喉ぶえがつぶされてしまいます;死亡するか適切な応急処置を受けるまで毎ターン生命力判定を行い、失敗するたびに1点ずつダメージを受けます。
 刃のついている武器で首にHP以上のダメージを受けた場合、生命力判定に失敗すると、首と胴体とが切り離されてしまいます(即死します)。

 象のような鼻:HPの4分の1を越えるダメージを受けると、鼻が使えなくなります。それ以下のダメージだと、激怒して全力攻撃を行うでしょう。

 鼻:多くの肉食ポケモンの鼻はとても柔らかいので、鼻に1点でもダメージを受けると、そのポケモンは朦朧状態になります。2点を越えるダメージは無視して下さい。そのポケモンが逃げ出すか怒って攻撃してくるかどうかは、(望むのであれば)GMが反応判定を行って決めます。

 肢、脚、足首:四肢の一本が使えなくなっても、敏捷力−3の判定に成功すれば倒れません。前肢の一本が使えなくなっても、ゼニガメのように後肢でうまく立つことのできるポケモンなら、残りの前肢で攻撃できます;敏捷力−3,ダメージ半分。後肢の一本が使えなくなれば、敏捷力−3になりますが、通常ダメージを与えることができます。どちらの場合にしても、敏捷力は3低下します。
 蹄には、防護点1点があります。

3.3.2:ポケモンのクリティカル

 ポケモンのクリティカルは、基本的に人間の場合と同じですが、技の説明にファンブルの効果が書かれていれば、その効果だけを適用して下さい。『ガープス・ベーシック』256頁のクリティカル表を参照して下さい。

3.3.3:ポケモンのファンブル

 ポケモンの攻撃がファンブルしたときは、『ガープス・ベーシック』256頁のファンブル表を参照して、「武器が壊れる」「武器を落とす」「武器が非準備状態になる」を「その生き物が1D−3ダメージを受ける」に読み替えるか、次の表を用いて下さい。また、技によっては適用しない場合があります;技の説明にファンブルの効果が書かれていれば、その効果だけを適用して下さい。

ポケモンファンブル表

 3:防御側が「刺し」武器を持っていれば、その武器が動物に突き刺さり、その武器の最大ダメージを与えます。その武器を引き抜くには、体力での即決勝負に成功する必要があります。そのほかの武器であれば、#4の効果と同じです。
 4:ポケモンは転倒し、最低1ターンは朦朧状態になります。次のターンの開始時に生命力判定に成功すれば、朦朧状態から回復します。
 5:ポケモンは転倒し、負傷します;1D−3の「叩き」ダメージを受け、その次のターンになるまで防御に−3修正を受け、立ち上がるまで攻撃することはできません。
 6:ポケモンの攻撃が鉤爪、蹄、歯、牙のどれかによるものであれば、その部位をいためます;ポケモンセンターのポケモン治療器でしか治すことができません。以後これらによる致傷力が1点減少します。そのほかの部位による攻撃であれば、攻撃した四肢のどれかに1D−3ダメージを受けます。
 7、8:ポケモンは、完全にバランスを失い、転倒します。その次のターンになるまで防御に−3修正を受け、立ち上がるまで攻撃することはできません。
 9:ポケモンは、わずかにバランスを失います;その次のターンになるまで防御に−2修正を受けます。
 10:生命力判定を行い、失敗すると「ポケルス」の状態になります。
 11:ポケモンは、わずかにバランスを失います;その次のターンになるまで防御に−2修正を受けます。
 12、13:上の、#7と同じです。
 14:ポケモンが肉離れをおこします;攻撃と防御が−3修正され、回復するのに3日かかります。
 15:#6と同じですが、ダメージの減少は2点です。
 16:#5と同じですが、1D−2の「叩き」ダメージを受けます。
 17:#4と同じですが、1D−3の「叩き」ダメージも受けます。
 18:ポケモンはその攻撃でひどく転倒し、気後れします。ポケモンの知力が3以上であれば、その次のターンに可能な限り逃げ出そうとします。もし、隅に追いつめられれば、服従の姿勢(喉を上に向ける、あお向けになる、など)をとるでしょう。知力が2以下のポケモンは、#17と同じです。

 (ヘビポケモンなどの)転倒しないポケモンは、「転倒」の結果がでたときには、かわりに1D−3ダメージを受けます。
 空を飛ぶポケモンは、「7、8、12、13」の結果の時には転倒するのではなく、地面に落ちずに空中にとどまりますが、効果の内容は倒れたのと同じです。
 水中のポケモンは、「転倒」の結果がでたときにはバランスを崩したようになりますが、効果の内容は倒れたのと同じです。「転倒」によってダメージを受ける結果の時は、かわりに朦朧状態になります。

3.4:ポケモンの反応

 プレイヤーがどのような反応をとるか知っているポケモンでないポケモンに出会った時や自分のポケモンに命令を与える(〈ポケモン使役〉技能を参照して下さい。)時には、GMはちょうどNPCに対して行うように「反応判定」をすることができます。3Dして判定し、その状況に応じた修正を課し(『ガープス・ベーシック』260頁を参照)、以下のポケモン反応表と照らし合わせます。
 野生ポケモンが反応表の結果で攻撃をしかけてくる場合には、普通はプレイヤーが所有するポケモンの方を攻撃してくるでしょう。これは、野生ポケモンが人間に飼われているポケモンに対してあまりよくない感じをいだいているためだといわれています。ただし、自分のポケモンを出していない場合には、この限りではありません。
 いくつかのポケモンには、反応修正が与えられていますが(例えば、カラカラの反応修正は−3)、そのほかのポケモンは「常に攻撃する」または「常に逃げ出す」といった行動をとります。「常に攻撃する」反応をとるポケモンは、自分のHPが0になるまで戦います。「常に逃げ出す」反応をとるポケモンは、先頭の最初のターンから逃げ始めます。草食ポケモンは、「中立」より悪い反応になったときには、普通は逃げ出しますが、それ以外の場合(さかりのついたニドリーノの場合はほとんどが)には攻撃をしかけてきて、群れの場合だと突進してきます。

ポケモン反応表(3D+適切な修正)
0以下:最悪
 戦闘になる可能性のある状況では、ポケモンは敵意を持って全力で死ぬまで攻撃してきます。草食ポケモンは、あなたに向かって突進してきます。
 訓練を受けたポケモンは、あなたの命令に従わないでしょう。もし、あなたが強引に服従させようとするのであれば、そのポケモンの性格にもよりますが、攻撃してくるか逃げだそうとするでしょう。のりものポケモンの場合には、あなたをふりおとして、それから踏みつけてくるでしょう。
1〜3:とても悪い
 戦闘になる可能性のある状況では、ポケモンは攻撃してくるでしょう。ひどく負傷していたり、数の上であまりに不利であるときにだけ、逃げ出すでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、あなたがしきりにそのポケモンに命令を与え続けなければ、あなたの命令に従わないでしょう。あなたは、自分のポケモンをコントロールしようと試みる間に、何かほかのことをすることはないでしょう。ポケモンは第一にその場から逃げ出すことを考えていて、そのためにはあなたを傷つけ、時には殺すこともあるでしょう。のりものポケモンの場合には、あなたをふりおとそうとするでしょう。
4〜6:悪い
 戦闘になる可能性のある状況では、そのポケモンは攻撃する機会をうかがっているでしょう。数の上で不利だったり、負傷していれば、逃げ出すでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、指示を出し続けているときにだけ、明らかに嫌々ながら従うでしょう。逃げ出す機会があれば逃げだそうとしますが、あなたがそれを止めようとするのであれば引き下がって服従します。
7〜9:良くない
 戦闘になる可能性のある状況では、そのポケモンはうなり声をあげて攻撃の姿勢をとるでしょう。もし、パーティーがその場から離れないのなら、数や力の上で勝っているのでなければ攻撃してくるでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、けしかけているのであればあなたの命令に従うでしょう。明らかに逃げ出せる機会があったり、虐待されていたりしたのであれば、逃げだそうとするでしょう。
10〜12:中立
 戦闘になる可能性のある状況では、そのポケモンとパーティーは自分の思い通りに行動する傾向があるでしょう。力が同じ程度のパーティーに攻撃された場合は戦います;それ以外の場合には、逃げ出すでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、あなたの命令に適切に従おうとし、逃げだそうとはしません。もし、あなたが十分守ってあげなかったり、生きていくのに十分な食事を与えなかったりすれば、逃げだそうとするでしょう。
13〜15:良い
 戦闘になる可能性のある状況では、そのポケモンはパーティーを見てとても怖がって、ゆっくりと後退するでしょう。攻撃されれば逃げ出すでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、命令にとてもよく従い、危険なことさえしてくれるでしょう。逃げだそうとはせず、逃げてもいいという命令を与えられれば、嫌々ながらあなたのもとを去るでしょう。革ひもや檻などで拘束していなくても、あなたのもとから立ち去ろうとはしません。
16〜18:とても良い
 戦闘になる可能性のある状況では、そのポケモンは用心深くかつ人なつっこくもの珍しそうな反応を示すでしょう。戦おうとはせず、PC達が敵対的な行動をとれば逃げ出すでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、あなたの命令に熱心に従い、あなたに認めてもらおうとします。そのポケモンは、あなたに置き去りにされようとすると、悲しむでしょう。
19以上:最高
 戦闘になる可能性のある状況では、そのポケモンは明らかに友好的です。攻撃されれば、服従の姿勢(あお向けになる、腹や首をさらす、など)をとるでしょう。
 訓練を受けたポケモンは、あなたを尊敬し、あなたのためなら命も投げ出すでしょう。その能力を最大限生かしてあなたの命令に従うでしょう。あなたがそのポケモンを見放したとしても、幸運です;最愛の主人のもとに戻ろうとするでしょう。

3.5:ポケモンの「よけ」と「移動力」

 ポケモンの「よけ」の値は、敏捷力の半分または移動力の半分のどちらか大きい方の数値ですが、最大でも10までにしかなりません。ただし、技による効果や受動防御などで「よけ」が上がる場合には制限はありません。技は特に説明されていなければ、「よけ」ることができます。即決勝負で命中したかどうかを判定する場合には、「よけ」を行うことはできません。
 ポケモンの「移動力」は、ポケモンの種類によってそれぞれ固定値が決まっていますが、敏捷力が高くなるにつれて、以下のように「移動力」も若干ながら高くなります。

そのポケモンの移動力+敏捷力÷20=現在の移動力(切り下げ)。

3.6:ポケモンの疲労

 ポケモンは、10ターン戦闘するたびに1点疲労します。1回でも戦闘に参加したポケモンは、1点疲労します。また、技を使うことでも疲労します。ポケモンの疲労は、ボールの中に収容することで回復します;10分につき1点。ポケモンセンターのポケモン治療器でも、疲労を回復させることができます。この場合には、一晩で全ての疲労が回復します。

3.7:特殊効果

 ポケモンは戦闘などで、以下の特殊な状態になることがあります。「ひるむ」「まひ」「こんらん」「メロメロ」「どく」「もうどく」「のろい」「やけど」「ねむり」「あくむ」「こおり」「ほろびのうた」「ポケルス」;これらの状態のことを特殊効果と呼びます。戦闘中にこれらの状態異常から回復するために能力値判定を行う場合は、10+能力値÷10(切り下げ)の数値で行います。それぞれの状態での効果を以下に説明します。

・ひるむ
 「ひるむ」の状態になったポケモンは、そのターンもしくは次ターンのどちらか早いほうの行動を行えなくなります。行動を行えなかった次のターンには、普通に行動を行えるようになります。
・まひ
 「まひ」の状態になったポケモンは、ダメージは受けませんが、命中判定(および即決勝負)が−5修正されます。「まひ」の効果は重複しません。戦闘が終了しても、この効果は残ります;ボールに収容しても、この効果は残ります。「まひ」の状態は、まひなおしで治すことができます。
・こんらん
 「こんらん」の状態になったポケモンは、トレーナーの指示に従わなくなります。「こんらん」状態のポケモンにトレーナーが指示を与える場合は、ポケモンが知力判定を行い、成功すればその指示に従って行動します;ただし、「こんらん」状態が回復するわけではありません。毎ターンの最後に意志判定(最大でも13以下)を行い、判定に成功すると、ポケモンの「こんらん」状態はなくなります。また、ボールに収容するか戦闘が終了すれば、「こんらん」状態から脱します。「こんらん」状態のポケモンは、トレーナーが指示を与えない場合やトレーナーの指示に従わなかった場合には、以下の行動をランダムに行います(1Dして判定)。1〜3:前のターンの行動を引き続き行う、4〜5:自分を攻撃します(通常攻撃の半分のダメージ)、6:トレーナーを攻撃します。
 これら全ての特殊効果は、「かいふくのくすり」を使うか、ポケモンセンターにあるポケモン治療器でも治すことができます。
 註:すべての特殊効果は重複して受けることはありませんが、「こんらん」だけは他の特殊効果と重複して受けます。
・メロメロ
 「メロメロ」の状態になったポケモンは、2分の1の確率でわざを使うことができなくなります。通常攻撃は行えます。戦闘終了時に、自動的にこの状態から回復します。
・どく
 「どく」の状態になったポケモンは、毎ターンの最後に生命力判定を行います。判定に成功すれば、1点のダメージを受けるだけですみます。判定に失敗すると、失敗度分のダメージを受けてしまいます。戦闘が終了しても、この効果を受け続けます;ボールに収容しても、「どく」によるダメージ判定を行い続けます(ただし、「どく」によってHPが0点になると、停滞フィールドが作動するため、それ以上のダメージは受けません)。「どく」の状態は、どくけしで治すことができます。通常攻撃で「どく」の効果を与えることはできません;技でしか「どく」の効果を与えることはできません。
 「どく」の状態にならないポケモン:属性が「毒」のポケモン
・もうどく
 「もうどく」の状態になったポケモンは、毎ターンの最後に必ず、以下のようにダメージを失います。最初のターン:1ダメージ、2ターン目:2ダメージ、3ターン目:3ダメージ、4ターン目:4ダメージ、5ターン目:5ダメージ、…、以下同じように続く。
・のろい
 「のろい」の状態になったポケモンは、HPが毎ターンの終わりに10点ずつ減少します。減少したHPは、わざやアイテムを使っても戦闘中には回復させることはできません。戦闘が終了した時点で、減少したHPは自動的に回復します。ただし、HPが0になってしまった場合には、自動的に回復しません。
・やけど
 「やけど」の状態になったポケモンは、毎ターンの最後に生命力判定を行います。判定に成功すると、ダメージを1点受けるだけですみます。判定に失敗すると、失敗度分のダメージを受けてしまいます。戦闘が終了しても、この効果は残りますが、「どく」と違ってボールに収容しているときにダメージは受けません(再び戦闘に参加すれば、「やけど」によるダメージ判定を行う必要があります)。「やけど」の状態は、やけどなおしで治すことができます。
 「やけど」の状態にならないポケモン:属性が「炎」のポケモン
・ねむり
 「ねむり」の状態になったポケモンは自動的に「転倒」し、ターンの終わりもしくはダメージを受けたときに意志判定(最大でも13以下)を行い、成功すれば朦朧状態になって目覚めます。そのターンに受けたダメージ5点につき、意志判定に+1の修正がつきます(最大+5まで)。次のターンの始めに朦朧状態から回復するかどうかの生命力判定を行って下さい。戦闘が終了しても、この効果は残ります。また、ボールに収容してもこの効果は残ります。「ねむり」の状態は、ねむけざましを使う、ポケモンのふえを吹くことで、もしくはポケモンセンターで治すことができます。
・あくむ
 「ねむり」状態のポケモンでなければ、「あくむ」の状態になることはありません。「あくむ」の状態になったポケモンは、HPが毎ターンの終わりに20点ずつ減少します。戦闘が終了した場合と「ねむり」の状態から回復した場合に、減少したHPは自動的に回復します。ただし、HPが0になってしまった場合には、自動的に回復しません。
・こおり
 「こおり」の状態になったポケモンは、ダメージを受けなくなりますが、体全体が凍りついてしまい、それ以後なにも行動をすることができなくなります。戦闘が終了した後、1時間おきに生命力判定を行い、成功すればこの状態から回復します。「こおり」の状態は、こおりなおしで治すことができます。
 「こおり」の状態にならないポケモン:属性が「氷」のポケモン
・ほろびのうた
 「ほろびのうた」の状態になったポケモンは、3ターン後に自動的にHPが0になり、戦闘不能になります。わざやアイテムを使っても戦闘中には「ほろびのうた」の状態を回復させることはできません。戦闘が終了した場合とそのポケモンを交代した場合に、「ほろびのうた」の状態は自動的に回復します。ただし、「ほろびのうた」によってHPが0になってしまった場合には、自動的に回復しません。
・ポケルス
 小さな生命体「ポケルス」がくっついている状態です。「ポケルス」状態になっているもしくは一度でも「ポケルス」にかかったポケモンは、もらえる経験値が10%増えます。「ポケルス」状態になったポケモンは1日の終わりに生命力判定を行い、成功すれば治ります。「ポケルス」はモンスターボール越しにでも感染する可能性がありるので、一緒につれ歩いているポケモンは1日の終わりに生命力判定を行い、失敗すると「ポケルス」状態になってしまいます。

3.8:ポケモンの経験値

 ポケモンは、戦闘に勝つと経験値(EXP)を獲得することができます。これは、ポケモンのレベルを求めるための指標となります。戦闘終了時にポケモンに与えられる経験値は、以下の式で求めることができます。

ポケモンに与えられる経験値=倒したポケモンのポケモン評価値の合計÷戦闘に参加した味方のポケモンの数

 ポケモンに与えられる経験値:戦闘に参加した味方のポケモン1匹に与えられる経験値(切り下げ);最低でも1。
 倒したポケモンのポケモン評価値:戦闘不能になった相手のポケモンのポケモン評価値;逃げたポケモンやゲットしたポケモンは含みません。
 戦闘に参加した味方のポケモンの数:ボールから出して戦わせた味方ポケモンの総数。

 交換したポケモンは、戦闘で獲得する経験値が1.5倍になります(切り下げ)。

 ポケモンの能力値別の成長タイプは、それぞれのポケモンの能力値および進化ボーナスの箇所で書かれていて、上からそれぞれ、体力、敏捷力、知力、生命力、HPの成長タイプを表しています。ポケモンは、レベルが上がるごとに成長判定を行います。成長タイプごとの能力値の上昇の度合い(成長ランク)は、次のページのようになります。成長判定は、1Dします。

・成長判定表
成長ランク 能力値の上昇値 成長ランク 能力値の上昇値
1〜3:+7、4〜6:+8 1〜3:+3、4〜6:+4
+7 +3
1〜3:+6、4〜6:+7 1〜3:+2、4〜6:+3
C   +6 +2
1〜3:+5、4〜6:+6 1〜3:+1、4〜6:+2
+5 +1
1〜3:+4、4〜6:+5 1〜3:+0、4〜6:+1
+4    

3.9:ポケモンのレベル

 ポケモンのレベルは、以下の公式で求めることができます。

ポケモンのレベル=経験値の累計÷(100+ポケモンの成長度)

 求められた数値は、小数点以下が切り捨てられます。GMは、ポケモンのレベルをどんどん上げようと思うのであれば、分母の数値(100)を小さくしてもかまいません;その逆もあるでしょう。
 また、ポケモンのレベルは、最大100レベルまでしか上がらず、ポケモンの成長はそこで止まります。

 進化するレベルになれば、ポケモンを進化させることができます;プレイヤーが進化させるかさせないかを決めることができます。二段階一度に進化させることはできません;次にレベルが上がるまで進化しません。ポケモンは進化すると、能力値ボーナスをもらうことができます;能力値が下がることもあります。


目次にもどる