第5章 ガープス戦ういろいろロボットの能力値

 TIRに登場するロボットはエネルギー源や操縦法によっていくつかの特殊な能力値を持っています。この章ではロボットのデータを説明していきます。

名称…ロボットの一般的な形式名です。

ロボットサイズ…ロボットの大きさと重さを似たようなサイズでまとめた値です。ロボットの質量をアニメや漫画の設定通りにそのまま鵜呑みにするととんでもないことになってしまうのは(軽すぎる、重すぎる等々)周知の事実ですが、はたして無視するわけにも行きません。TIRではロボットの大きさと重さをひとまとめにして「サイズ」と表します。

サイズは

SS …人間より一回り大きい
…3〜10m
…11〜30m
…31〜100m
LL …101〜200m
…201m以上

の6段階があり、主にロボットでの攻撃全般に関係します。

 サイズが1段階違うロボット同士の戦闘では、その体格差が十分な驚異となります。1段階大きいサイズのロボットが小さいサイズのロボットに対して、何らかの攻撃(格闘、射撃など全て)を行った場合、防護点を抜ける前のダメージが3倍になります。ただし、攻撃系は全て「叩き」として計算し、クリティカル効果時の2倍〜3倍ダメージはすべて「防護点無視」となります。
 サイズが2段階違うロボットの場合はもっと深刻です。何と防護点を抜ける前のダメージが10倍になるのです。これ以外は1段階差と同じに計算します。
 サイズが3段階違うともうそれは致命的です。どんな攻撃でも攻撃が命中するとロボットは誘爆判定を行わなければなりません。成功すれば機能停止します。失敗するともちろん爆発です。ダメージダイスをふる必要すらありません。もしどうしても正確なダメージを出さなければならないときは防護点を抜ける前のダメージを50倍にします。
 ではサイズが小さいロボットが大きいロボットに行う格闘攻撃はどうなるのでしょうか?この場合、1段階小さいロボットなら与えるダメージは3分の1になり、2段階なら10分の1ダメージになります。3段階も小さいロボットは1ダメージだけあたえます。もちろんこのダメージは防護点により防がれてしまうのでサイズの小さいロボットが有効打を与えることは難しいでしょう。クリティカル効果時の2倍〜3倍ダメージは、サイズの修正を加えた後、ダメージを2倍〜3倍します。
 ロボットは基本的に自分のサイズと同じサイズの射撃武器しか扱えませんが、ロボットタイプによってはかなり大きいサイズの射撃武器を扱えるものも存在します。こんな場合、同じロボットタイプの中でならサイズが違っても武器を使う事が出来ます。

例 サイズMのヘビーメタルのエルガイムはサイズHの「バスターランチャー」を撃つことが出来ます。この場合サイズMの他の「ヘビーメタル」も「バスターランチャー」を撃てる可能性があります。しかし、同じサイズMのモビルスーツはロボットタイプが違うので「バスターランチャー」を撃つことは出来ません。

例2 サイズMのモビルスーツ、ガンダムはサイズMの「ビームライフル」を撃つことが出来ます。この場合、サイズMのロボットならモビルスーツに限らず「ビームライフル」を撃てる可能性があります。

…それではロボットは大きければ大きいほど有利か、といえば実際、そうでもありません。あまりにも自分より大きいロボットならば相手に傷すら付けることは出来ないでしょうが、そんな時は最初から戦闘を避けるべきで、無理して戦う必要は無いのです。
そんな小さいロボットにも救いはあります。自分よりもサイズの大きいロボットは概して動きが鈍く攻撃が当たりやすくなるのです。
武器サイズより1段階大きいロボットを攻撃するとき相手は「受け」る事が出来ず、よけに−4修正を受けてしまいます。
武器サイズより2段階大きいロボットを攻撃するときはさらに有利です。相手は受動防御しかできなくなってしまいます。
武器サイズより3段階大きいロボットを攻撃してもほぼ無意味です。当たっても1ダメージしか与えられないのですから。こんな攻撃はゲームの迅速化のためにも行わないで下さい。
…ここで注意しなければならないのは、攻撃するロボットのサイズは関係ないと言うところです。あくまでも攻撃側の「武器サイズ」と相手の「ロボットサイズ」で判定を行います。

地形タイプ…ロボットが行動できる地形です。ロボットの基本移動力は人間と同じく(敏捷力+耐久力÷4)で算出します。この基本移動力を地形タイプで修正します。地形には「空中」「宇宙」「地上」「地中」「海上」「海中」の6種類があって、各ロボット事に地形タイプ値分だけ移動力が増減します。修正後の移動力がマイナスになってしまうと2ラウンドで1ヘクスしか進めません。「不可」とあるものはその地形に進入できません。もしも無理矢理その地形に放り出されたロボットは「移動不能」になります。
 移動力が「*2」などアスタリスクがあるものはその地形にとどまれません。たいていは補助推力によるジャンプしかできないロボットの「空中」戦に使用されます。この場合は1ラウンドおきにジャンプ(空中で攻撃)→着陸を繰り返すことになります。地形タイプの移動力修正はロボットのイニシアティブに加えます。

センサーランク…ロボットの電子装備の充実度を表します。単純に「レーダーの範囲」と考えてもかまいません。ランクには7種類あり、以下のように効果が違います。

S…全周の視界 パイロットの視覚に+8
A…全周の視界 +4
B…全周の視界 +1
C…全周の視界 ±0
D…前面と側面の視界 真後ろは−2
E…前面と限られた側面の視界 側面は−2、真後ろは−4
−…センサーなし、パイロットの目視のみ 全周  ±0
SS…全周の視界 パイロットの視覚に+8

 センサーがある(S〜Eの表記がある)ロボットならば全くの暗闇でも一応の視界を得ることが出来ます。この場合視認チェック−4されます。しかしセンサーランクがないロボットはパイロットの視覚にのみ頼っているので、外部投光器や光源がなければ暗闇での視界を得ることは出来ません。パイロットが「暗視」や「暗視装置」などを持っていれば問題は軽減されるでしょう。
 SSのセンサーランクはロボットにファティマを乗せたときにのみ存在する値です。この場合は特に視覚に修正はありませんが、「ファティマ」の項にあるモーターヘッド独特の行動を修正します。

選択ルール 視認チェック
 ロボット操縦時は以外と簡単に敵機を見逃してしまいます。互いに高速で飛行しているときなどはなおさらです。自分のロボットに攻撃が命中したときはたとえ0ダメージでも敵機を見失う可能性があります。また、敵機が視界からずれた時も見失う可能性があります。(前面から側面、側面から真後ろなど)こんな時はパイロットの知力を基準にセンサーランクの修正を加え、敵機のサイズ修正を加えます。見失った敵機には攻撃できないのはもちろんのこと、敵機からの攻撃も能動防御できなくなります。

視認用サイズ修正
…+8
LL …+6
…+2
…±0
…−2
SS …−4

ロボットタイプ…TIRのロボットタイプとは設計思想と基本構造が似た感じ(ここが大切です。似たような感じ…)のロボット群をさします。ロボットのサイズや形状が異なっても同じロボットタイプに属するロボットは操縦することができます。また、ロボットタイプが違っても、似たタイプのロボットなら技能なし値が設定されています。以下はTIRに出てくるロボットのタイプです。ロボット操縦技能を取得する際の重要な項目になります。技能なし値のないロボットはもちろんそのロボット操縦技能がなければ起動することさえ出来ません。

:なし
モビルスーツ系:MS
技能なし値 :ガンダムファイター −5
:ヘビーメタル −7
:レイバー −6
:デストロイド −6
ガンダムファイター系:GF
技能なし値 :モビルスーツ −5
ヘビーメタル系:HM
技能なし値 :モビルスーツ −7
:バトロイド −5
:SPT −6
レイバー系:LV
技能なし値 :モビルスーツ −6
:アーマードトルーパー −5
:ウォーカーマシン −7
アーマードトルーパー系:AT
技能なし値 :レイバー −5
:装甲服 −7
オーラバトラー系:AB
技能なし値 :なし
汎用人型決戦兵器系:EV
技能なし値
スーパー合体系:SG
技能なし値 :スーパー単体 −5
スーパー単体系:ST
技能なし値 :スーパー合体 −5
スーパー命令系:SC
技能なし値 :なし
ウォーカーマシン系:WM
技能なし値 :レイバー −7
バトロイド系:BR
技能なし値 :ヘビーメタル −5
デストロイド系:DR
技能なし値 :モビルスーツ −6
装甲服系:AS
技能なし値 :アーマードトルーパー −7
魔装機系:MG
技能なし値 :なし
スペースパイロットスーツ系:SP
技能なし値 :モビルスーツ −5
機動兵器:MW
技能なし値 :レイバー −5

体力…ロボットの体力をさします。ほとんどの場合格闘攻撃のダメージを算出するときに使用します。ダメージは人間用の基本致傷力表を使って下さい。ロボットで重いものを運んだり持ち上げたりするときにも使用されます。

選択ルール アバウトな起重比率
 ロボットの体力でどれほどの重量のものを動かせるかは、本来ロボットのエンジン出力から何千kg単位で計算するべきものですが、ロボットの公式設定その他から考えると「もうめちゃくちゃ」で、厳密な数値も何もあったものではありません。TIRではロボットの体力はもっぱら同サイズのロボットに対して使用することを前提にして作ってあります。ですから、ロボットの大きさと体力をだいたい人間の体力に置き換えて比率を求めて下さい。
 例として、「持ち上げる BP285」をみると生物は「体力×12kg」まで「判定なし」で持ち上げられます。ですから体力13の人間なら156kgぐらいのものを判定なしで持ち上げられることになります。人間の大きさで156kg相当といえば、大型の冷蔵庫、小型のバイク、ゲーリー・オブライトと言ったところでしょうか。つまり体力13のロボットは自分の大きさに比例した大型冷蔵庫(ぐらいの大きさのもの)を抱え上げることが出来るわけです。ここらへんルールは実際の所戦うロボットの主旨からはずれるところですので結構アバウトに処理してもらっても良いと思います。

敏捷力…ロボットの素早さと反応の早さをさします。人間の敏捷力と同じように移動力の計算に使用します。また敏捷力はロボットの限界目標値にもなっています。パイロットのロボット技能がロボットの敏捷力より高くなった場合、格闘や射撃、ジャンプなどの目標値は最大でもロボットの敏捷力になります。「よけ」も敏捷力が最大値になります。(「受け」はロボット技能1/2です。ロボットの敏捷を越えてもかまいません。)

例 ロボット操縦技能16レベルのパイロットが敏捷力12のロボットに乗り込み、−2の修正で格闘攻撃を行います。ロボット操縦技能16レベルから−2の修正を行うと目標値は14になります。通常なら14以下で命中となりますが、ロボットの敏捷力が12なので目標値は12で命中となります。逆に、修正後のロボット操縦技能値よりもロボットの敏捷力の方が大きかった場合は特に問題ありません。通常通りに命中判定を行います。

耐久力…ロボットの構造の信頼性、壊れにくさを表します。この数値は人間の生命力同じように移動力の計算に使用します。しかし、ロボットのHPとは完全に別のものとして扱います。ロボットのダメージはすべてHPで処理し、耐久力を減らすことはありません。耐久力はロボットの「機能停止」「誘爆」判定の際に使用します。

HP…ロボットの装甲の丈夫さを表します。HPにダメージを受けるとロボットは徐々に動きが緩慢になりいずれ停止してしまうでしょう。

防護点…ロボットの装甲の堅さを表します。(2/4)と表記されていれば(受動防御/防護点)です。

威圧力…ロボットの外観から受ける恐ろしさ、美しさ、荘厳さ、華麗さ、凶悪さ、等々を表します。戦闘時にパイロットは敵ロボットの威圧感による「恐怖判定」を行わなければならないかもしれません。

選択ルール 威圧力の恐怖判定
 パイロットは敵のロボットを「初めて」見たときに相手ロボットの威圧力マイナス修正にしてに恐怖判定を行わなければなりません。自分の乗っているロボットのサイズと敵ロボットのサイズ差が修正となります。一度でも恐怖したパイロットは以後そのロボットを視認するたびに全ての技能が−1されます。恐怖判定に成功すれば以後判定の必要はありません。
 ロボットが空中戦などを行う場合、かなり遠くからその姿を視認され、威圧力を上手くいかせない場合があります。こんな時はロボットの変形合体を上手く使います。ロボットの戦闘機形態や分離状態では恐怖判定は行いません。自分の攻撃が届く範囲まで相手に近づいてからいきなりロボットに変形、合体し敵パイロットの度肝を抜くのです。威圧力の恐怖判定はもちろん相手のパイロットが人間かそれに近い生物の場合に限ります。

 威圧力恐怖判定の修正
相手よりも自分のロボットサイズが大きい +8
同じサイズ +6
1段階小さい +2
2段階小さい ±0
3段階小さい −2
4段階小さい −4
5段階小さい −6
 以下の修正はサイズの修正に加わります。
ロボットに乗っていないか、ロボット自体を初めてみる −8
初めてみるロボットである −2
相手よりも人数が多い +2
相手よりも倍以上人数や機数が多い +4

必要〜力と限界〜力…この能力値を持っているロボットを操縦するには「オーラ力技能」か「同調技能」か「熱血技能」の内ロボットで指定されたものが必要になります。ロボットの「必要〜力」以上の技能レベルがなければロボットは全く動きません。「必要〜力」より技能レベルが高くなればロボットの能力が強化されていきます。しかし技能レベルが高くなりすぎ「限界〜力」を越えてしまうと今度はロボットが「暴走」する可能性があります。詳しくは「暴走」の項を参照して下さい。以下は各技能で引き出すことが出来る能力値表です。

ロボットの能力上昇値 オーラ力技能の場合

必要オーラ力を超えた技能値 上昇体力 上昇防護点
+1
+1 +1
3〜4 +2 +2
5〜6 +3 +2
7〜8 +6 +3
9〜10 +8 +3
11〜12 +10 +4
13〜14 +12 +5
15以上+4毎に +1 +1

ロボットの能力上昇値 同調技能の場合

必要同調力を超えた技能値 上昇体力 上昇敏捷力
+1
+1 +1
3〜4 +2 +1
5〜6 +3 +2
7〜8 +6 +2
9〜10 +8 +2
11〜12 +10 +3
13〜14 +12 +3
15以上+4毎に +1 +1

ロボットの能力上昇値 熱血技能の場合

必要熱血力を超えた技能値 上昇敏捷力 上昇防護点
+1 +1
+1 +1
3〜4 +1 +2
5〜6 +2 +2
7〜8 +2 +3
9〜10 +2 +3
11〜12 +3 +4
13〜14 +3 +5
15以上+4事に +1 +1

ロボットの能力上昇値 プラーナ技能の場合

必要プラーナを超えた技能値 上昇体数値 上昇HP
+1(0) +1
+1(+1) +3
3〜4 +1(+2) +4
5〜6 +2(+3) +6
7〜8 +2(+6) +7
9〜10 +2(+8) +9
11〜12 +3(+10) +10
13〜14 +3(+12) +12
15以上+4事に +1(+1) +1
注 上昇する体数値は機体によって変わります。また、体力が上昇する場合はカッコ内の数値を使用します。

ロボットの能力上昇値 騎士力技能の場合

必要騎士力を超えた技能値 上昇敏捷力 上昇C速度
+1 +50
+2 +50
3〜4 +2 +100
5〜6 +3 +100
7〜8 +4 +150
9〜10 +5 +150
11〜12 +6 +200
13〜14 +8 +250
15以上+4事に +1 +50

合体変形時間…合体変形に必要な時間で、単位はラウンドです。ロボットの中には合体変形中に無防備状態になるものがあります。そんなロボットは「*2」の様にアスタリスクマークがあります。無防備状態のロボットは「能動防御」が出来なくなります。

改造限界値…ロボットを改造するときの限界値です。0〜5段階あり、0は改造不可、1〜5はその段階まで改造が出来ます。詳しくは「ロボットの改造」の項を見て下さい。

改造難易度…改造のしやすさです。この数値分ロボット工学、ロボット整備を修正します。詳しくは「ロボットの改造」の項を見て下さい。

脱出…誘爆時の脱出判定(パイロットの敏捷力−4)に加わる修正です。

行動時間…ロボットが戦える時間で、単位はラウンドです。TIRの1ラウンドはおよそ10秒で、戦闘せずにただ移動するだけなら行動時間はおよそ10倍になります。もしもロボットの形態のまま「空中」で戦うと1ラウンドに行動時間を10ずつ消費していきます。武器の中には行動時間=エネルギーを消費するものがあります。

暴走タイプ…3種類ある暴走のタイプです。詳しくは「暴走」の項を参照して下さい。

メモ…ロボットの特徴的な事柄を記しています。


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