第7章 ロボットの改造と整備

ロボットの戦闘タイプ…表にあるロボットはバランスの良い調整を施された「オールラウンダー」と呼ばれるタイプです。これを以下のように調整することが出来ます。調整費用は本体価格の10%ですが、一度調整を施せば1回整備を行うたびに戦闘タイプを切り替えることが出来ます。

オールラウンダー
・任意の武装のダメージを1つだけ+2します。
・機能停止と誘爆の判定に+1修正がつきます。
・移動力の半分だけ移動して(切り下げ)攻撃を行うことができます。
スナイパー
・全ての武装の正確さが2上昇します。
・全ての射撃武装の射程が1つのびます。
・固定射撃武装のダメージを1つだけ+1D6します。
・受けが出来なくなります。
・自サイズをこえる射撃武器の準備時間が短くなります。
 1サイズ…なし 2サイズ以上…準備に1ラウンド必要
・全ての攻撃で「一歩踏み込む」以上の移動ができなくなります。
ファイター
・全ての格闘攻撃の基本致傷力で「振り」を使えます。
・固定格闘武装のダメージを1つだけ+1D6します。
・「受け」に+2が加わります。
・敏捷力が1つ上昇します。
・射撃時に「狙う」事が出来なくなります。
・全移動力してから格闘攻撃を行うことができます。

ロボットの改造…TIRのロボットは改造することによってその能力値を強化することが出来ます。ロボットは最初、改造段階が0になっています。1段階改造するにはロボットの改造費を支払いロボット工学にロボットの機体疲労値と改造難易度の修正を加え判定を行います。改造費はロボット本体価格の10%です。改造が成功したら機体疲労値が1上昇し、以下の中から効果を1つ選択できます。改造が失敗したら機体疲労値が1上昇するだけです。改造はロボットの改造限界値まで行えます。

・体力、耐久力、威圧力が各1つずつ上昇する。
・敏捷力1つと体力か耐久力のいずれか1つ上昇する。
・威圧感が4上昇する。
・センサーランクが1段階と体力、耐久力、威圧力のいずれかが1つ上昇する。
・本来移動できない地形を除く地形タイプを+1する。
・HP+10か最大HPの20%分上昇する。(自由に選択)
・固定装備の地形タイプがどれでも1つ上昇する。
・本体か固定装備の受動防御が1点上昇する。
・防護点が現在値の20%(切り上げ)上昇する。
・行動時間が現在値の20%(切り上げ)上昇する。

ロボットの装備の改造…ロボットが持つあらゆる武装も改造することが出来ます。この場合の改造は…

・装備の地形タイプがどれでも1つ上昇する。
・装備の正確さが2と致傷が+2上昇する。
・武装の致傷が1D+2上昇する。 ・装備の受動防御が全種1点上昇する。
・武装の攻撃回数が2発か現在値の20%分増える。(自由に選択)
・武装の必要行動時間が25%減少する。
…です。
 この改造はロボットの改造限界値とは別に、全ての装備で一律1段階まで改造できるものとします。

ロボットの整備…ロボットがHPに受けたダメージを回復させるには、ロボット整備をするしかありません。ロボットのHPは基本的に戦闘中には回復しません。ロボットを整備するには以下の手順で行います。

1.故障の具合をロボット工学で判定します。機体疲労値と各ロボットタイプの整備ランクがマイナス修正になります。

整備ランク
AT…+2
AB…−2
MS…−2
HM…+0
BR…−6
DR…−4
EV…−8
LV…−1
ST…−6
SG…−8
SC…−4
WM…+2
SP…−2
AS…−2
MG…−8
MW…−2

2.ロボット工学技能の成功度がロボットの整備費になります。
基本整備費…ロボット本体価格の20分の1
ロボット工学にクリティカルで成功…基本整備費50%引き
ロボット工学に成功…基本整備費20%引き
ロボット工学に失敗…基本整備費失敗度×10%アップ(最大でも+50%まで)
ロボット工学にアクシデント…基本整備費+50%アップ

3.ロボット整備技能でHP回復の判定を行います。判定に成功すれば最大HPの20%〜70%(1D6+1)のHPを回復させ、機体疲労値が1つ増えます。失敗すると最大HPの20%だけ回復し、機体疲労値が1つ増えます。このときにクリティカルで整備すると機体疲労値も1回復します。
 ロボットの整備を整備店に頼んだときはたいてい「基本整備費」を要求されます。つまりロボット工学が成功した20%分が整備店の儲けになるのです。これは標準的なロボット世界の整備費です。ロボットがポピュラーな世界ならもっと安くても構いませんし、整備部品が手に入りにくかったりするならもっと高くても構いません。

機体疲労値…ロボットの改造や整備を行うたびに、ロボットは全体の構造がもろくなっていきます。TIRではロボットの痛み具合を機体疲労値で表します。機体疲労値は耐久力の現在値を減少させていきます。最大でロボットの耐久力まで機体疲労値はたまります。いくつかの暴走系ロボットは暴走したときにも機体疲労値が上昇します。改造や整備をクリティカルで成功させると機体疲労値が1つ減ります。

例 耐久力13のロボットが機体疲労値を2ためています。このロボットは誘爆や機能停止判定時に耐久力11として判定をしなければなりません。

ロボットの整備時間…ロボットの整備時間は(HPが一回分回復する)はロボットのサイズや整備状況によって変化します。基本整備時間は24時間です。これに以下の修正が加わります。基本修正はサイズに対して行う時間の修正です。員数はロボット整備技能を持つ員数です。員数一人事に員数修正が加わり、最大員数まで使うことが出来ます。熟練工は最低必要なロボット整備16レベル以上の員数です。員数修正は必要員数を越えた作業員と熟練工に対して一人事につく時間の修正です。熟練工は1人で2人分の修正を持つものとします。整備時間は以上の修正を全て加えても0にはなりません。整備時間が1時間以下になっても最低で10分かかるものとします。

 「機体疲労値」を直すためにロボット整備を行っても構いません。この時のロボットはHPが100%満タンでなければなりません。普通の整備と同じ費用と時間がかかりますが、機体疲労値は1D6+1直ります。

サイズ 基本修正 必要員数 熟練工員数 最大員数 員数修正
SS 25% 8%
50% 7%
100% 12 6%
200% 36 5%
LL 400% 16 64 4%
800% 64 512 0.1%

例 サイズMのロボットを4人の作業員と1人の熟練工で整備します。まずサイズMのロボットは基本整備時間のそのまま使うので基本は24時間になります。員数は作業員が必要員数より2人多いので員数修正の6%×2で12%作業時間を短縮できます。熟練工員数は最低員数なので修正はなしです。結局100%−12%で88%が整備に必要な時間になります。この場合24時間でしたから、24時間×88%で、おおよそ一回の整備に21時間かかることになります。

例2 サイズLのロボットを10人の作業員と6人の熟練工で整備します。まずサイズLのロボットは基本整備時間が200%になるので基本は48時間になります。員数は作業員が必要員数より2人多いので員数修正の5%×2で10%作業時間を短縮できます。熟練工員数は4人多いので5%×4が熟練工修正で倍になり40%作業時間を短縮できます。。結局100%−10%+40%で50%が整備に必要な時間になります。この場合48時間でしたから、48時間×50%で、一回の整備に24時間かかることになります。

 整備時間は実作業時間ではありません。作業員が休んだり食事したりする時間を含んでいます。もしも突貫作業で整備をするのなら整備時間はさらに半分になります。しかし突貫作業の整備が終わった後、作業にたずさわった全員が最低12時間は休まなければ全員のロボット工学とロボット整備に−4修正が加わります。おそらく熟練工も作業員並の腕前になってしまうでしょう。

閑話休題 ロボットの値段
TIRではロボットの値段を提示していません。本体価格の何%かでHPが直る設定なのにどういうことだ、と思われるかも知れませんが、ロボットの値段はロボットを運用する世界であまりにもまちまちであり、「これ」という基準値すらも無いのです。値段が一番付けやすいのはウォーカーマシンでしょうか?現存する工事機械や掘削用機械はだいたい何千万円単位なのだそうです。シナリオのヒントとして、各マスターはいくらという正確な値段の設定はせずにロボットだけに通用する単位を造ってもいいでしょう。通常使うお金の単位とは別に、敵機を倒す事にいくらかの評価が与えられ、その評価値によって新しいロボットを得られる、といったようにです。ロボットを個人で運用する世界にはそぐあいませんが一般的な解決法としてはベターなものではないかと思います。
又はプレイヤー達が所属している隊にン百億円かの予算を計上して何ヶ月かはそれでやりくりさせるという方法もあります。


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